映画「カリオストロの城」は、宮崎駿監督の作品のなかでも最上級といわれることが多いですよね(個人的にはNo.1)。
ルパン3世という世界観やキャラクターの制約があるなかで、ハードボイルドな格好良さがあり、ユーモラスな一面もあり、シリアスで切ないシーンもある。
ルパンの魅力をより引き出して、いまの人気を礎になった作品といえるでしょう。
この辺りが宮崎監督の凄いところなんでしょうね。
ちなみにカリオストロの城のラストシーンといえば銭形のとっつあんですが、あのシーン、重要だと思うんですよ。
この記事では、映画「カリオストロの城」のラストの重要性を考察しています。この記事をみれば、きっとまたカリオストロの城をみたくなりますよ。
「カリオストロの城」のラストシーン
カリオストロの城には沢山の名場面がありますが、まずはラストシーンの重要性をお伝えします。
このカリオストロの城、実は本来のルパンファンからすると異質な存在でもあったようです。
いまではそういった意見も少なくなりつつありますが(代表作名ので)、当時は宮崎監督のあの雰囲気があまり受け入れられなかったんですね。
そういった意味でも、あの最後のやり取りはカリオストロの城という特別版から、日常のアニメ版に戻っていく大切なシーンだと考えています。
カリオストロで多くの人の心を奪い、颯爽と去っていくルパン。それを追いかける銭形の言葉
「ルパンを追え!、地の果てまで追うんだ!」
このラストシーンが映画という特別版から、「日常に戻りますよ」というサインのように考えています。
と、ここまでいくと「重要なセリフってそれか!?」と突っ込まれそうですが、
特別版から日常に戻るセリフとしてはここだと思います。
その後のおじいさんの
「なんと気持ちのいい連中だろう」
には銭形も含まれてますからね。
あなたの心=観客
ちなみに少しだけ戻って、よくラストシーンの名言といわれる銭形とクラリスのやり取りも探究してみたいと思います。
数十年を経て感じるのは、銭形の名言
「あなたの心です」
は、そのまま私たちルパンファンに当てはまるということです。
カリオストロの城で魅せたアクション、心意気もすべてが「これぞルパン!」というものでした。
そしてクラリスの申し出を優しくかわすルパン。
かっこよすぎですよね。
銭形「くそぉっ、一足おそかったか!ルパンめ、まんまと盗みよって!」
クラリス「いいえ、あの方はなにも盗らなかったわ。私のために戦って下さったんです。」
銭形「いや、やつはとんでもないものを盗んでいきました・・・、あなたのこころです。」
いやほんと、盗まれちゃいましたよ。
銭形のとっつあんも共犯ですけどね。
ルパンの有言実行
しかし、ルパンのかっこよさはどこから来るのかと何度も見返すと、ルパンは有言実行で必ずやり遂げるところです。
まあ、物語の主人公なのでなんでもできるんですが、その魅せ方がいいんです。
何気なくみていたときは気づきませんでしたが、「これ伏線だったのね」とようやく理解できました。
皆さん気づいてました?
ルパン、大空を飛ぶ
「その子が信じくれたなら、泥棒は空を飛ぶことだって、湖の水を飲み干すことだってできるのに」
こちらは「空を飛ぶ」は伏線ではなく、発言の前にとった行動ですね。
囚われたクラリスを助けるために、お城の屋根を移動する場面です。
ワイヤーを張ろうと準備していたら、ロケットがコロコロと転がって、勢いのまま飛んじゃったシーンです。
当時の映画館では、結構笑いのシーンでした。
同じ宮崎アニメの「未来少年コナン」を思わせるアクションでしたね。
ちなみに乱闘シーンの最後にはコナンがいるという情報もあります。
ルパン、湖の水を飲み干す
そしてこちらはみごとな伏線になりました。
先の湖の水を飲む話は、物語の終盤の大オチに繋がっています。
実際にルパンが湖の水を飲んだわけではありませんが、結果的に湖の水はなくなり、歴史的文化財が姿を現すんですよね。
物語はここで終わっていますが、スピンオフ作品などではゴート札に変わる新たな収入源として観光地化されるようです。
オープニングシーン
ラストシーンの素晴らしさをお伝えしているんですが、このカリオストロの城の面白さは他にも沢山あるんですよ。
私は40年を迎え、何度も見ていましたが、また新たな発見がありました(知っている人は多いですよ)。
先のコナンらしき人が登場するなどは、宮崎映画にはありがちな演出で、次の作品や以前のキャラをよく使ってるんです。
ただ、オープニングの五右衛門の存在には40年間気づきませんでした。
確かにカジノからの追手の車が両断されてますよ!
じゃあ、「どこにいるの?」と思ってよく探すと…
確かにフィアット500の後ろに後頭部があります!
お金を積み込んだあとの後ろからのシーンにもお金に埋もれた五右衛門の後頭部が…。
一言も声を発せず埋もれている五右衛門がらしいっちゃらしいですが、気づくと笑っちゃいますね。
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まとめ
映画「カリオストロの城」は、40年経ったいまでも面白さは変わりませんね。
子供の頃の思い出として、このカリオストロの城やガンダム、ドラゴンボールなどに特別な感情がありますが、いまの子供たちにも見せたい作品です。
ラストシーンの銭形のセリフは、いまみるとやはりクラリスだけでなく、映画をみたファンの心も盗んでいったようです。
はい!
先日金曜ロードショーで放送されていましたが、オープニングの五右衛門やコナンを見てみたい人は是非U-NEXTでもう一度「カリオストロの城」を見てみましょう!