「も~、い~くつ、寝~ると~」と、お正月には必ず食べるおせち料理ですが、最近は家庭で作らずお店で購入することも多くなっているようです。
そんなおせち料理の変化はありますが、自分で作ってもお店で買っても食材に対する意味合いが変わることはありません。
むしろ購入した方が確実に意味を含んだ食材を揃えているはず!?
この記事では、小学生でもわかるようなおせち料理の説明を記載しています。お店で買ったおせちにちゃんと入っているかのチェックにも活用して下さいね。
おせち料理の意味?
おせち料理は新年を迎えるにふさわしい豪華で華やかなお料理ですよね。
おなじくお正月に食べるお雑煮にも意味や由来がありますが、おせち料理には入っている多くの食材に意味やゲン担ぎの願いが込められています。
また、ゲン担ぎ以外にも重要な意味として、「お母さん、毎日ありがとう。元旦くらいゆっくりしてね」という役割も担っています。
基本的に保存のきく食材が多くあるのはそういった意味があるからなんですよ。
お重にも意味が!?
おせち料理といえばお重に入っていますが、そのお重でも一段目になにを入れるなどが決まっています。
人によっては五重だったり三重だったりと変わりますが、中に入っているのは基本的に同じ食材たちが多いです。
この記事では、三重の段で収まるように纏めています。
ご家族が多い場合は、五重にして分けてもいいかもしれません。
壱ノお重:祝い肴&口取り
「壱のお重、祝い肴!口取り!」と、流行りの鬼滅のような言い回しですが、一のお重は祝い事に相応しい意味合いの食材が目白押しです。
祝い肴の「肴」の文字を見て分かるように、どちらかといえばお酒のアテに合うような食材が多い壱のお重は、皆でおとそを飲みながら摘まむのがいいですね。
その時には次のおせちの意味や由来を語るのが家長役目とも言えます。
毎年の行事のようにほろ酔いになった家長のウンチクに耳を傾けましょう(そしていつかは語る側に)
かずの子
かずの子といえばお正月というイメージですよね。プチプチした食感が楽しい印象です。
このかず子はニシンの卵で、小さな卵を沢山宿すことから、「子宝に恵まれる」ようにとの願いが込められています。
かずの子は子孫繁栄の縁起物として、日本全国のおせち料理で必ず使われる具材になります。
田作り
田作りは、イワシなどの小魚を甘辛く飴炊きにしたものです。日本酒(おとそ)のお供にもピッタリの一品ですよね。
この田作りという名称はいまではパッと思いつきませんが、材料であるイワシなどが農耕民族の日本人にとっては大切な存在でした。
というのも、昔の人は田畑の肥料としてイワシなどを活用していたんですね。
そういった背景から、田んぼや畑をつくる「田作り」として五穀豊穣の象徴とされています。
黒豆
黒豆は一から作るとなるとなかなか根気のいる調理が必要となります。ふっくり艶やかに作るにはコツが必要なんです。
そんな黒豆は、マメだけに「まめに生きる」という意味合いからお正月に食べる縁起物になっています。マメに生きるということは、真面目に生きるということです。
そういわれると、美味しい黒豆を作るには根気とマメさが必要ですよね。
たきゴボウ
ごぼうはこの後に出てくる煮しめにも入りますが、古くから日本では食べられた食材です。
地中深くに根をはるゴボウは「繁栄の象徴」として扱われています。
家を建てるにしても、人として生きるにしても、しっかりと土台を支えるには基礎が大切ですからね。
紅白かまぼこ
紅白のかまぼこには、色と形に意味合いがあります。
かまぼこといえば側面からみると半月状にみえますよね。この形から日の出を連想するということです。なんだかめでたいですよね。
また、赤は慶びを表し、白は神聖の意味を持ちます。
おめでたいシーンでよく見る紅白幕ありますよね。
紅白かまぼこは、あの雰囲気を表現しているわけです。
伊達まき
伊達まきは、その形が巻物のように見えることから「知識の習得」への願いが込められています。
また知識の習得をすることで、文化の発展に貢献するという意味もあるようですね。
ちなみに伊達(だて)については、広まっていく経緯で江戸に住む人の性格を表した「伊達」と伊達まきの華やかさが似ていることから付けられたようです。
昆布まき
昆布巻きは、語呂合わせてきですが「昆布(こぶ)=よろこぶ」にかけています。
また、そのよろこぶから養老こぶとすることで、「喜びにに溢れて、長生きできるように」という願いが込められています。
この昆布巻き、なかに小魚などをいれると美味しさがグレードアップします。我が家では夏に釣ったハゼを入れてましたね。
栗きんとん
栗きんとんは、子供に人気のおせちの一品ですよね。
そんな甘くておいしい栗きんとんですが、そこに込められた願いはどちらかといえば大人向きです。
栗きんとんに込められた願いは「お金に困らないように、豊かになるように」というものです。
勝ちクリは勝利を意味し、きんとんは金銀財宝を意味します。
そういえば、見た目も黄金色で華やかですよね
子供に人気の栗きんとんですが、大人も是非ゲン担ぎしたいものです。
ちょろぎ
ちょろぎは、ひょうたんの小型版のような形をした根っこです。
その根っこの形が、トビケラ類の幼虫のようにも見えることから「草石蚕」と感じで表す場合もあります(読みはちょろぎ)。
その他にもちょろぎの漢字表記は多くあり、発音から「丁呂木」や縁起のいい文字を当てた「長老喜」などもあります。
シャクシャクした食感が楽しいちょろぎは、本来白色ですがおせちで食べる場合は紫蘇漬けにされた赤いものが主流になります。
食べる理由はやはり、「長老喜」の長寿、長生きの願いにあります。
弐のお重:焼き物&酢の物
弐のお重は焼き物と酢の物が入ります。
日持ちすることを前提とした本来のおせち料理としては酢の物が中心になりますが、現在では華やかなイメージと美味しさもあって焼き物が中心ですね。
地域によって変化はありますが、焼き物の王様はやはり「めでたい」ということで鯛や出世魚のブリが定番です。
ブリ
おせち料理はお重のイメージ、そしてお重の魚の焼き物といえばブリを連想します。鯛は尾頭付きで別皿が多いですよね。
ブリは出世魚として有名です。
ちなみに何故名前が変わると出世なのかというと、明治になるまでは戸籍法が無く、出世すると名前を変えたりできたんですね(秀吉や家康、信長もそうですよね)。
ブリは関東ではワカシ、イナダ、ワラサ、ブリとなり、関西ではモジャコ、ワカナ、ツバス、ハマチ、メジロ、ブリとなります。
ブリは名前が変わる大人になるほど脂がのって美味しくなり焼き物に最適です。
鯛
鯛に関してはブリに際に記載しましたが、お重に入っているというよりも別皿で尾頭付きであるイメージです。
これについては、七福神の恵比寿様が小脇に抱える鯛丸ごと一匹の姿に似せているんですね。
恵比寿様は古くは漁業の神様であり、いまでは商売の神様でもあります。
そんな神様の鯛に、語呂合わせの「めでたい」が重なることで、ハレの日の食卓を飾る一品になっています。
海老
海老は茹でると鮮やかな赤になりお重が華やぎます。各所で登場する赤や白は、お重のめでたさを高めてくれます。
また、海老はそのまま茹でると背中が曲がります。
昔の人はこの曲がった背中を長寿の象徴と考えていて、海老のように腰が曲がっても元気で長生きしたいという願いがあるようです。
ですから、おせち料理に入っている海老は曲がっているのが本来の姿です。気を効かせてまっすぐに矯正しないようにしましょう。
紅白なます
お正月の酢の物といえば紅白なますでしょう。
こちらは慶事の贈り物に飾りとしてつける水引をイメージしているといわれています。
ただ、水引自体が慶事の酒の肴からきているといわれるので、なかなか不思議です。水引の原型はアワビを加工したものだったようで、食材自体には関連ないようで。
とにかく、めでたい見た目といわれからおせち料理には欠かせない酢の物です。
さっぱりしてサクサクした食感もお料理の味変として嬉しいですよね。
菊花かぶ
菊は日本の国花でもあり、皇室の紋としても有名です。古くから祝いの席で活用されているお花です。
菊の花を入れたお酒は邪気をはらうといわれ、長寿の祈りに使用されていたようです。
そんな菊をの形をカブで再現したのが菊花かぶです。
酢の物としては甘味が強く、お子様でも楽しめる一品です。
こはだ栗漬け
こはだはこのしろの若魚です。こちらもブリと同じく出世魚の一種ですね。
7センチから10センチ程度をこはだといいます。
こはだを酢締めにしたものをもち粟に漬け込んだのがこはだ粟漬けで、出世魚のこはだを粟で五穀豊穣を願うお祝いの一品となります。
参のお重:煮しめ(にもの)
参のお重には煮しめがはいります。一般的には煮物ですね。
甘辛く煮られたゴボウなどの根菜類や里芋、それらのお出汁をすったこんにゃくなんかが美味しいですよね。
子供のころは好んで食べる感じではなかったですが、お正月のときは必ず1種類を一つは食べるのが家族円満ののゲン担ぎになります。
おせち料理のはじまりはこういった野菜の煮物だったという説もあります。昔は家族で働くことが多かったわけですから、煮しめの意図も家族や子孫への想いが詰まっています。
れんこん
おせちに入ったれんこんの意味はよく耳にするように思います。
「穴があいて、先が言える」ということから、れんこんを食べると将来の見通しができるというゲン担ぎです。
煮しめることでモッチリした食感のれんこんが美味しいですよね。
さといも
さといもは、食べることで子孫繁栄に繋がるという意味合いがあります。というのも、さといもの増え方が子孫繁栄を表しているからです。
さといもは、親芋と呼ばれる大きなさといもを土に埋めておくとその周りに子芋ができ、その子芋の周りにまた小さな里芋ができ、それらを孫芋といいます。
親芋を中心に子芋や孫芋が周りを囲んでいるのが理想の家族像ということですね。
八つ頭(やつがしら)
八つ頭はさといもの一種になります。里芋と同じような増え方をするので意味の一つはやはり子孫繁栄です。
そこに八つ頭のみためからさらに2つの願いが込められています。
八つ頭は里芋のような丸い形でなく、名前のとおり八つのコブが集まつたような形です。そこから八つ頭といわれています。
その名前にある八が末広がりでよいというのが一つ、そして八つの頭、の頭に注目して「人の頭」人の上に立つ人間になるという出世の願いもあるんです。
くわい
くわいは中国原産の水生植物です。種類は三種類ほどありますが、全国に出回っている大半は青くわいになります。
大阪では万葉集にも登場する「吹田くわい」が栽培されていて難波の伝統野菜といわれます。その他「白くわい」は中国でよく食べられるくわいになります。
くわいは成長すると芋の部分から勢いよく芽が伸びるので、出世などのゲン担ぎが当てはまります。
ごぼう
煮しめに欠かせないごぼうですが、たきゴボウと重複するのでここでは割愛させていただきます。
まとめ
お正月にいただくおせち料理には、古くから様々な意味合いが込められています。
そういった意味を家族、一族で分かち合いながら団らんを囲むのも大切な行事ですよね。
日本の大切な文化をこれからも守っていきましょう。
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