フィギュアスケートは冬のスポーツでもトップクラスの人気競技です。
少しまえだと、浅田真央さんや安藤美姫さんといった女性選手が人気でしたが、羽生結弦選手の登場により男女ともに憧れの競技となりました。
そんなスター選手のように自分もなりたいという子供たちが増え、最近では習い事として検討する親御さんも多いようです。
ですが、フィギュアスケートは一度足を踏み入れると、なかなか習い事(趣味)では終われない魅力があります。
この記事では、なぜ子供も親御さんもフィギュアスケートにのめり込むのかを解説しています。
理由①「階級制度が駆り立てる」
世界でもトップクラスの日本のフィギュアスケートを支えているのは、幼少期から参加できる厳密な階級制度に寄るところが大きいでしょう。
スケート技術の習得度合いで階級を付けるバッジテスト、そのバッジテストの階級と年齢で選別する合宿や競技会など、
「なにを、どの程度できればいいのか」が細かく設定されているので、技術習得での「できるようになった喜び=ランクアップ」が明確になります。
子供の頃に、できなかったことができるようになる喜びは、夢中になるための大切な要素です。
また、そのことを親や周囲の人に認められる経験、バッジやメダルという勲章をもらうことも、次の目標に向かうエネルギーになります(親御さんも)。
子供たちが自分で目標を決め、努力して技術を習得し、その結果勲章をもらう…。親として応援せずにいられませんよね。
もしくは親御さんの方が「一度は表彰台に…」という気持ちが強い場合もあります。
どちらにせよ、上手い仕組みです。
バッジテスト
バッジテストは、国際スケート連盟(ISU)の規定に基づいて定められた等級になります。
ネットではバッチテストの表記も多いですが、【日本フィギュアスケーティングインストラクター協会】の公式ホームページの資料では、「バッジテスト」となっているのでこちらが公式でしょう。
こういった呼び名はバッジテストの級を所得すると、その級に応じたバッチを貰えるからなんです。級が上がるごとにバッチが変わるのは子供には嬉しいでしょうね。
このバッジテストは、日本スケート連盟に登録すれば毎月受けられるので、早くレベルアップしたい方には嬉しい制度です(失敗してもすぐに挽回できます)。
ちなみに、バッジテスト初級についてはジャンプもなく比較的合格しやすいと言われています(ジャンプは1級から)。
この合格しやすい初級でバッチを貰ってしまうと、「やっぱりジャンプが飛びたい!」となるのが心情でしょうね。
バッジテストは約2万円
なお、このバッジテストの受講料は約2万円です。
段階は初級と、1級から8級までの9段階になります。
※初級と1級は別です。
7級以上になってはじめて、国際大会や全日本選手権に出場することができます。ですから、テレビに出ている一流選手たちは全員7級以上ということですね。
ちなみに8級をとる人はあまりいないようです。
理由は7級以上で国際大会にでられるので、それ以上は必要ないというのが本音のようですね。
このレベルになるとバッチよりも大会のメダルということです。なかには記念に8級をとる人もいうようです。
競技会でのクラス
バッジテストと別にあるのが、国際スケート連盟で定義された3つのクラスです。
15歳以上のシニア、13歳以上19歳までのジュニア、10歳以上14歳までのノービスと、それぞれ年齢で分けられています。
ちなみに、フィギュアスケートの年齢の基準は7月1日になるので、前年の7月1日に年齢が達していない場合は参加でいないということがあります。
有名選手では、浅田真央さんが年齢制限に87日足りず、トリノオリンピック代表資格が得られなかったとうこともありました。
日本のクラスとバッジテスト等級
国際基準のクラスですが、日本ではバッジテストの等級が加味されるため、年齢が当てはまっていてもバッジテストの等級が低い場合は競技会には出られません。
日本のクラス基準
- シニア:15歳以上でバッチテスト7級以上
- ジュニア:13歳以上18歳以下でバッチテスト6級以上
- ノービスはさらに二つにAとBに分けられます。
- ノービスA:11歳以上13歳以下でバッジテスト4級以上
- ノービスB:9歳以上11歳以下でバッジテスト3級以上
まず、ノービスBを目指すわけですが、バッジテスト3級の要件にはアクセル・パウルゼン・ジャンプをはじめ、なかなかレベルの高いことを求められます。
※引用:【日本フィギュアスケーティングインストラクター協会】の公式ホームページ
理由②「優越が明確にある」
フィギュアスケートが習い事で終わらない理由の一つに階級制度をあげましたが、その階級一つとっても幾つもある課題(技)をどれだけ完璧にできるかの優越が明確にあります。
この「優越が明確にある」ことが習い事では終わらない理由の二つ目です。
細かな目標設定と評価の仕組みが明確であるほど、何をどうすればいいかが分かりますから、「次は何を頑張る
」となるのが人間の心理です。
とくに子供の場合は、「あの子には負けたくない」「あの子より上手くなりたい」といった感情も大きなエネルギーになります。
しかも最初のうちは頑張ればある程度のレベルになりますから、「やればできる!」を体験してしまうとなかなか離れられませんよね。
親御さんもどこで諦めさせるか悩むところです。
優越があるからこそ?
「優越があるからこそ引き際があるのでは?」とも思えるフィギュアスケートですが、一度でも大会でスポットライトを経験してしまうとなかなか難しいようです。
ただ、フィギュアスケートの引き際ポイントは幾つかあります。
一般的には3~4歳ではじめたとして、1年生(7歳)でアクセル(1回転半)が飛べることができれば「素質がある」といわれているので、ここはポイントでしょう。
ただ、安藤美姫さんや高橋大輔さんなどはフィギュアスケートをはじめたのが8歳ですから、一般論でははかり知れませんね。
また、人によってはバッジテストで春に初級をとり、夏に一級、冬に2級と、1年間で2~3級まで進む人もいるようです。
それができるなら続けてもいいという基準を作ると、かなり厳しい目標となるでしょう(クリアできるなら十分才能あります)。
ちなみにバッジテスト3級は通過点なので、その先の狭き門を通るためにもいいかもしれませんね。
理由③「自分に勝つ」
フィギュアスケートが習い事(趣味)では終わらない最後の理由は「自分に勝つ」というマインドセットです。
子供の頃は「人に負けたくない」という気持ちがエネルギーになりますが、ある時から自分自身の弱さを克服することを課題にします。
この「自分に勝つ」という言葉は、フィギュアスケートのトップを走る羽生結弦選手がよく口にしています。
彼の言葉の影響力もあり、フィギュアスケートをしている人はとくに「自分に勝つ」というマインドセットを実践しようとします。
自分の能力は、努力次第でまだまだ成長できる、やめたい自分、弱い自分に打ち勝つ!
自分の子供が、こんな考えをもって努力して、困難にチャレンジする姿をみてやめさせられますか?
フィギュアスケートで大成しなくても、幼少期からこのマインドセットを習得できるのであれば、できるところまで応援したいですよね。
まとめ
一度足を踏み入れるとなかなか抜け出せないフィギュアスケートについて、なぜ抜けられないかを解説してきました。
その答えを纏めると、魅力的なスポーツであり、その選手たちを育成する仕組みがしっかりあるということです。
フィギュアスケーターの選手生命は男性で20代前半、女性では10代後半までといわれています。
だからこそ幼少期から厳しい世界に身を置き、勝ち抜いた人だけが華やかな舞台に立てるんですね。
やれば深みにはまります!
ですが人間的な成長はあるでしょう!!
普通の習い事とは桁が違う費用がかかりますが、将来の投資としてはいいかもしれません。